リバランスの効果とは?
リバランスのタイミングは?
リバランスはしたほうがいい?
投資を行う上で、誰もが良いリターンを得たいと思います。実はリバランスを行うことで効果的にリターンが良くなります。
なぜならリバランスはリスクを抑え、リターンを向上させるからです。
この記事ではリバランスの効果や具体的な方法を紹介します。
この記事を読むと解決する悩み
- リバランスの効果がわかる
- リバランスのタイミングがわかる
結論は定期積立額と資産のバランスを把握して、目標ポートフォリオから10%ずれたらリバランスを実行します。
それでは解説していきます。
リバランスとは
リバランスとは目標としたアセットアロケーションやポートフォリオに戻すことを言います。
次の記事でポートフォリオの作成方法について紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
【簡単解説】投資のポートフォリオの組み方は?チェックリストで自分に最適なポートフォリオを組む
インデックス投資の運用中にやっていることはリバランスだけです。
今回は実際にはアセットアロケーションのリバランスを行う前提の解説になりますが、便宜上ポートフォリオと呼びます。
それでは、給与を得て、定期積立を行う場合のポートフォリオの変化を見てみます。
上の例だと給与を得ると「現金」の比率が大きくなり、定期積立を行うと「株式」の比率が大きくなり、「現金」の比率が小さくなります。
このように毎月意識せずにポートフォリオは徐々に変化しています。
この「ずれ」を修正することをリバランスといいます。
リバランスの効果とは
リバランスにはリターンを向上させる効果があります。投資の名著であるウォール街のランダムウォーカーでは以下のように説明しています。
投資家なら誰でも、間違うことなく「安く買って、高く売る」指令を出してくれる魔法使いがいたらいいなと願うだろう。そして規則正しいリバランス戦略こそ、その魔法使いなのだ。
出典:ウォール街のランダムウォーカー バートン・マルキール 著
著書でも紹介されているデータでは、リバランスを行うことでリターンが向上しています。
これは株式が上昇したときにバランスが崩れ、一部を売却し債券を購入します。その後株式市場が暴落して、バランスが崩れその時に債券を購入します。その結果リスクが低くなり、リターンが向上します。
つまり、株が高値になったときに売却し、株が安くなったときに購入することでリターンが向上します。
実際にシミュレートしてみたいと思います。
リバランスの効果をシミュレート
リバランスする場合としない場合で資産がどれだけ増減するのかシミュレートしてみます。
株価上昇と暴落がやってきた場合にどうなるかシミュレートしてみました。
リバランスしたほうが資産額が大きくなりました。暴落耐性も向上していることがわかります。
このあと株式を購入してリバランスすることで、株価が上昇すればリバランスしない場合よりさらに差は大きくなります。
リバランスのタイミングは?
それではリバランスを行うタイミングはいつがよいのでしょうか。
(定期積立や一括購入は除く)
結論は1年くらいの頻度で、目標から10%以上離れれば行う程度で良いです。
経済評論家の山崎元さんと人気ブロガーの水瀬ケンイチさんの共同著書である「ほったらかし投資術」ではリバランスについて、以下のように述べています。
市場変動が気になった時と、そうでなくても年に一度は、株式の比率を計算してみてください。そして10%以上バランスを逸脱していたら、リバランスを行ってください。それ以外は、気が向いたらリバランスしても結構です。だいたいでいいんです、だいたいで。
出典 ほったらかし投資術 著者:山崎元 水瀬ケンイチ
きっちりしなくてもリターンはそこまで変わらないと著書の中でもありました。
リバランスはポートフォリオから10%ずれた場合に行うようにすると、機械的に行えます。
リバランスのリターンへの悪影響
リバランスの頻度が多いとリターンの弊害となる可能性があります。
なぜならば、リバランスは手数料や税金が発生し、リターンを低下させる可能性があるからです。
発生する手数料は一般的に次の通りです。
購入に必要なコスト
- 購入の手間
- 購入手数料
- 為替手数料
売却に必要なコスト
- 売却の手間
- 売却益に伴う税金
- 財産信託留保額
以上のコストが必要です。
また、非課税口座のつみたてNISAなどは売却してしまうと、その年分の枠は再利用できないことにも注意が必要です。
NISAについては次の記事で解説しています。気になる方はチェックしてみてください。
【最新版】NISAからつみたてNISAへ切替方法を解説 損しないNISAの使い方1つのこと
リバランスのメリット・デメリット
リバランスのメリット・デメリットについてまとめます。
メリット
- リターン向上が期待できる
- いくら購入・売却すべきか機械的に行える
デメリット
- 手間が掛かる
- 過剰に行うとリターンの弊害になる
リバランスを行うべきですが、デメリットを理解したうえで行うことが大切です。
リバランスの具体的方法(実践方法)
定期積立を行っている方は多いと思います。積立を行いながらリバランスを行うことになりますが、積立額や資産額によっては頻度が多くなってしまうこともあります。
ここでは定期積立を行いながら、実践しているリバランス方法を紹介します。
インデックス投資は、基本的には積立購入と一括購入どちらが良いかわかりません。
市場の変化が上昇傾向か下落傾向か誰にもわからないからです。
長期的に成長するので、早期に大きな額を投資できる一括購入が良いとされる場合もあります。
定期積立にはリターン以外のメリットは次の通りです。
定期積立のメリット
- 自動的に積立してくれる
- ポイントが付く
サラリーマンは安定的に収入がありますので、自動的に積立する仕組みと相性がいいです。
また、各証券会社ともポイント付与する仕組みもありますので、上手に活用しましょう。
今回は定期積立&一括購入を併用するリバランス方法を解説します。
リバランスのタイミング その1
まずは定期積立に伴うリバランスの頻度を把握します。
具体的には、「年間予定投資額」と「定期積立額」、「一括購入額」を把握して毎月の積立によるポートフォリオのずれを一括購入でリバランスする頻度を見積もります。
年間予定投資額を把握する
まずは年間予定投資額を把握します。年間予定投資額とは年収や生活費を差し引いた余剰金を元に、目標ポートフォリオ分の現金分を差し引きます。
今回のシミュレートはポートフォリオ 株式85%:現金15%の場合となります。
手取り年収 600万円 - 生活費 300万円 = 余剰金 300万円
余剰金 300万円 - 現金分 300×15% = 年間予定投資額 255万円
年間予定投資額は225万円となりました。
ご自分の安定資産の割合を知る方法を紹介していますので、以下の記事もチェックしてみてください。
【簡単解説】投資のポートフォリオの組み方は?チェックリストで自分に最適なポートフォリオを組む
次に毎月の積立金額を合算します。
定期積立額 約12万円 × 12ヶ月 = 140万円
年間予定投資額 255万円 ー 140万円 = 155万円
一括購入分は155万円分であることがわかりました。
つまり、定期積立を行いリバランスを行わないと年間で155万円分ずつ現金が増えていき目標ポートフォリオからずれることになります。
資産額と比較する
155万円を月で割ると毎月約13万円ずつ乖離します。毎月どれだけ乖離するのがわかれば、リバランスの頻度が分かります。
資産額が100万円であれば、一度の積立で大きく乖離します。
資産額100万円の場合
資産における株式は85%で85万円、現金割合は15%で15万円です。
1月分の積立が終わった時点では、株式は98万円(85万円+12万円)、現金は27万円(15万円+13万円)となり、現金が約22%を占めることになります。
2月分の積立時には、現金が約26%になります。
10%以上乖離すればリバランスを行いますので、目安として2ヶ月毎に行うことになります。
同様に資産が500万円の場合と1000万円の場合を算出しました。
頻度毎にずれた分だけ現金で株式を一括購入することでリバランス完了です。
必ず頻度ごとに行う必要はありません。ポートフォリオが徐々にずれていることを理解することが大事です。
あとで実際に行ったリバランスを紹介しますが、頻度毎でなく毎年いくらずれるのかを把握しておき、ずれの分一括購入することもあります。
以上が定期積立を行う場合のリバランス方法です。
リバランスのタイミング その2
株価が大きく上昇したり下落した場合も、資産状況を把握して目標ポートフォリオから 10%程度ずれていればリバランスを行います。
こちらは株式が大きく上昇していれば売却、下落していれば一括購入してリバランスを行います。
以上のことからリバランスのタイミングは以下の2つです。
リバランスのタイミング
- 積立時のずれのリバランス
- 市場が大きく変化した時のリバランス
【実践紹介】売却によるリバランス
過去に一度、株価が上昇したタイミングで売却を行いました。タイミングはコロナショック時に購入した後に、急激に上昇したタイミングでした。
チャートは 「TOPIX」と「日経平均株価」となります。
売却した商品は日経平均株価に連動するものでしたが、結果から見るとまずまずのタイミングだったことがわかります。
【実践紹介】一括購入によるリバランス
資産状況を確認→リバランスするのがよいですが、手間がかかります。
そのため、日々ニュースを見ながら、市場価格が一定水準下落したら購入しています。
チャートは「VTI」と「日経平均株価」となります。
購入したのものはVTIに連動する商品です。年間でいくらポートフォリオからずれることを把握していますので、その範囲で一括購入するようにしています。
まとめ リバランスでリターンを向上させよう
今回はリバランスの効果とタイミングについて解説しました。
まとめ
- リバランスはリターンを向上させる効果がある
- リバランス頻度は人により変わり、目標ポートフォリオから10%程度ずれると行う
過度な頻度のリバランスはコストでリターンが低下します。
インデックス投資の積立投資では、企業分析やトレーダー心理に敏感になる必要はありません。
実際行うのはリバランスのみです。
日々ニュースでの株価の動きや市場の状況などをチェックすると経済の動きがなんとなくわかってきます。(いつ暴落が起きるかはわかりませんが。。)
そういった観点でもインデックス投資は初心者から始めることのできるオススメの投資です。
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それでは。よいマネーライフを。